書評:僕たちは14歳までに何を学んだか(著:藤原 和博)

「僕たちは14歳までに何を学んだか」

これをテーマに藤原和博さんが、いまをときめく4人との対談などを収めた本です。

対談相手の4人とは

気鋭の4人として取り上げられたのは、西野亮廣さん、堀江貴文さん、前田裕二さん、亀山敬司さんです。

そしてこの4人から話を聞くのが、教育革命家を称する藤原さん。

この4人のこども時代の話を聞きながら、これからを生きるこどもたちが身につけていくべきものを突き詰めていきます。

ここで取り上げられている4人はそれぞれ尖った才能をもった時代の開拓者です。

14歳という年齢

藤原さんは14歳という年齢にひとつの指標をおいているようです。

とくに明確に書かれてはいませんが、私は14歳を義務教育を修了する年齢という意味で使っていると理解しています。

この14歳までをどう過ごしたか、これを重要視しています。

何かの壁を突破しようとする者たちには、共通して「根拠のない自信」が根底にあるような気がしている。前進すれば「なんとかなる」という感覚だ。
例外なく、彼らは、14歳くらいまでにちゃんと遊びまわった人々でもある。

遊びのなかで何を学び取ったか。

藤原さんは対談をとおして、これを引き出そうとしています。

西野さんが14歳までに学んだこととは?

ひとりめは西野さん。

西野亮廣さんはご存知、お笑いコンビのキングコングの西野さんです。

お笑い芸人としての枠を飛び越え、いまではベストセラー絵本作家。

ビジネスの分野でも、会員21,000人超を誇るオンラインサロン(会費を支払って参加するWeb上でのコミュニティ)を主宰するなど、実力を発揮しています。

その西野さんが14歳までに学んだことは「相手の脳を頭に入れる」ということだそうです。

兄とのオセロ対局から、他者目線の重要さを学ぶ

西野さんには5歳年上の兄がいるそうで、そのお兄ちゃんと小学校から帰るといつもオセロをしていたそうです。

オセロは、自分が置きたいところに駒を置くゲームじゃないんです。相手が「ここに置かれたらイヤだな」って思うところに駒を置くゲームなんですよ。
だから、僕が兄ちゃんと対戦するときには、「兄ちゃんの脳みそを一回自分の頭に入れる」っていう作業をするんです。
兄ちゃんの目線で、兄ちゃんが置いた駒の配置を見て、次はどこに置こうとしているかを予想して、ここに置かれるとイヤだろうなって場所を先回りして置く。

言ってしまえば、他者目線になったほうが勝つんです。

相手の脳を頭に入れるっていうのは、どんなことをするのにも価値を発揮してくれますよね。

新しいビジネスを考えたとき、それを受け取る側がどう反応するのか。

ひとりでシミュレーションできるので、成功の可能性も高まるし、商品・サービスの質も高められます。

そんな西野さんからのメッセージは

これからのこどもたちに対して大事だと教えたいことは、「お金のことは今から勉強しておくといいってこと」。

それは、無駄遣いをしないとか、お金を貯めておいたほうがいう教科書的なことではないそうです。

たとえば、手作りが趣味で、作ったアクセサリーをお店で売りたいと思ったら、自分でネットショップを立ち上げて実際に売ってみて、どんなものが売れてどれが売れないかや、どんなことにお客さんが感動してお金を払ってくれるか、実感として具体的に知っておくといいよ、っていうことです。

こういった経験をとおして、お金を稼ぐっていうことはすなわち「信用を稼ぐ」ってことなんだとわかるんだそうです。

ホリエモンが14歳までに学んだことは

ホリエモンについては説明不要ですね。

いま彼がやっているビジネスでとても興味があるのは、「予防医療」。

生存寿命が延びても健康寿命が短くちゃ、人生を楽しめないよね。

ということで、予防医療を推し進めています。

そんなホリエモンが14歳までに学んだことは「ゲームチェンジ」です。

希代のゲームチェンジャーの基礎は小学校で培われた

ゲームチェンジっていうのはビジネスにおける従来の枠組み・ルールを破壊し、新たなものに切り替えていくことを言います。

ホリエモンはこれを得意としています。

適切な例ではないかもしれませんが、収監中でありながら有料メルマガや書籍の刊行などでお金を稼げることを示しました。

HIU(堀江貴文イノベーション大学校)という新たな枠組みでのビジネスを開拓しています。

この基礎は小学生時代に築かれたそうです。

学校のテストの点は良かったんだけど、ドッジボールとか体を動かすスポーツ系の遊びは思うようにできなかった。それが当時不満だったんですよ。
そこで、どうやったら他の奴よりも優位に立てるかを考えて、ドッジボールではなくて知的な陣取りゲームを流行らせるとか。
子どもって、目先のものが面白ければ誰が裏で糸を引いているかまで気づかないじゃないですか。

遊びを自分の得意な分野へとチェンジしていったわけです。

ドッジボールを得意になろうとするのではなく、得意な陣取りゲームへと流行を移す。

小学生のころからそんな感じだったんですね。

そんなホリエモンからのメッセージは

こどもへというよりは親へのメッセージでした。

親の役割は、見返りを求めないパトロンみたいなものだと思っているので、子どもが「やりたい」と言ったことにお金を出す。
ただし、投資家ではないから、リターンは求めない。寄付です。求めてはいけないと。
よく「わが子に投資」というけれど、投資するのではなく、あげるんです。

こどもがやりたいといったことに対して、全面的に支援をしようということです。

自分自身も小学生のころに当時とても高価だったパソコンを買い与えてもらい、それが将来につながったという経験があるからでしょう。

見返りを求めず、やりたいことをやらせる。

これは忘れずにいようと思います。

前田さんが14歳までに学んだこととは?

前田裕二さんはShowroomという会社の社長です。

ライブストリーミングサービスという新しいネット上のサービスを立ち上げ、表現の場を広げています。

前田さんは8歳のころに母親を亡くし、10歳離れた兄とふたりきりになってしまったそう。

そこで、自分自身が食べるためにギターの弾き語りでお金を稼ぐことに。

ただ歌ってもお金はもらえない。

そこで、歌う曲をオリジナルから流行歌に変えたり、リクエストを受けた曲を一週間かけて仕上げてみたり。

試行錯誤してお金を手にしてきたそうです。

そんな前田さんが14歳までに学んだことは「人生の手綱は自分で握る」。

人生の手綱を自分で握ることを支援する

自らの表現でお金を稼いできた経験から、立ち上げたサービスが「Showroom」。

これは一般のひとでも、ネット上の空間を利用して、ライブパフォーマンスを行い、それでお金を手にしていくことができるサービスです。

自分が弾き語りでやってきたことを、多くの人にそれができる場を提供することでサポートしています。

こうしてパフォーマーが自分の力で人生の手綱を握れるようにしているんですね!

そんな前田さんからのメッセージは

たとえ自分のいる環境や境遇がマイナス100としても、そのマイナスをプラスに変えることができたこれまでの力の源泉は僕が受けた愛情の総量にあると思います。

8歳までの間に受けた母からの愛、母の死後お兄さんから受けた無償の愛、それによって逆境を乗り越えてこられたと言っています。

ひとが羽ばたこうとするとき、そのエネルギーの源泉は、愛情をどれだけ受けてきたか。

どれだけたくさんの愛情を受けてきたと感じられるか、これがキーなんですね!

亀山さんが14歳までに学んだことは

亀山敬司さんはDMM.comの創立者です。

DMM.comはオンラインゲーム、動画配信などが楽しめる総合エンタメサイト。

これに加えて有望な会社のM&Aを繰り返すなどして、業種の幅、業績を拡大させています。

そんな亀山さんが14歳までに学んだことは「多様性」だと思います。

商売の多様性、ひとの多様性

亀山さんの育った家はいろいろな商売をやっていたそうです。

呉服屋とかカメラ屋とか、小学2、3年の頃にはキャバレーも始めたと書かれていました。

多様ですね(笑)

キャバレーをやってたときには、お店で働く女性が同じ家の中で寝泊まりをしているような環境にあったようです。

そこに働きに来ていた女性はさまざまなバックグラウンドを抱えていて、ひとの多様性も学んだみたいです。

だからたくさんのM&Aを行うことに躊躇がないし、水商売の影響もあってかアダルト動画を取り扱うことに抵抗がないんですね。

多様性を認めるって、昨今の流行り言葉ですが、その成功例がここにありました。

そんな亀山さんからのメッセージは

小学生だったころを、「学校ではイマイチな感じ」だったと亀山さんは振り返っています。

それでも、一歩突き抜けていまのような活躍ができた土壌は、あったかい家の中にあったと言っています。

親父はいつも遊んでくれて、学校ではイマイチな感じの自分を「いつか大物になる」って、毎日すごくほめてくれました。
学校がつまらなくても家に帰れば受け止めてくれる場所があったから、全然平気。

こんな風に愛された経験があれば、ちょっとやそっとのことではへこたれませんよね。

亀山さんはちょっとやそっとのことではへこたれないので、戦場で監禁された経験までお持ちです(笑)

まとめ

紙面上では3分の1くらいのスペースで藤原さんの話が書かれていました。

ですが、藤原さんの話はまた別の本で書くことがありそうなので、割愛します(笑)

藤原さんも含め、ここで紹介した4人には共通して、14歳までの間に家族の愛や支援といったものがあったということ。

これが大きな土台となって、世の中で活躍する一歩を踏み出させていたんだと読めました。

こどもに対して、無償の愛を注ぐって簡単なことじゃないけど、できないことではないですよね。

いままでもそうしてきたつもりですが、また一段意識を上げていけたらと思います。

最後に藤原さんから親へのメッセージを引用して終わります。

親にできることは二つしかない。
子どもが何かに没入し、集中して向かっていくときに邪魔しないこと。
できたら、その突進を応援してあげること。
それと、条件をつけずに無条件に子どもの成長を見守ること。
それが「根拠のない自信」の基盤を作る。

僕たちは14歳までに何を学んだか 新時代の必須スキルの育み方
藤原和博