300年まえから伝わるとびきりおいしいデザート

とあるデザートの300年前、200年前、100年前、現在のつくり方の変遷を描いた絵本です。

多くのことが学べる絵本でした。

買った時期	4歳1か月
ハマった時期	3歳後半

簡単な内容紹介

こちらは出版社のあすなろ書房のHPからです。

フルーツに生クリーム、そして砂糖があれば、だれでも簡単にできるデザート、フルーツ・フール。その起源は古く16世紀、ヨーロッパ最古のデザートといわれており、現在にいたるまで、世界のあちこちで作られ続けています。
本書は、4つの時代、4つの場所にスポットをあて、それぞれのおいしいブラックベリー・フールの作り方を紹介していきます。
環境や技術、材料の入手方法、食事の様子や家族の在り方は変わっていっても、ボウルをなめたくなる気持ちは、どの時代もいっしょ。
身近なデザートひとつから、いろいろなことが学べる楽しい絵本です。

この絵本のタイトルである「とびきりおいしいデザート」はブラックベリー・フールというものです。

この絵本を読むまで食べたこともなかったデザートです。

この絵本を読んで食べてみたくなり、娘といっしょに作って食べてみるほどでした。

いろいろなことが学べる

出版社の紹介文にも、「いろいろなことが学べる」とあります。

では、「いろいろ」とは何か？少し書きますね。

ひとつは道具の進化。

この絵本はブラックベリー・フールをどのように作っていたのかを、300年前、200年前、100年前、現在のそれぞれで描いています。

300年前にはこんな道具を使っていて、200年前はこうで、100年前にはこう進化して、現在はこんな感じ、というのがわかります。

たとえば、生クリームの泡立て器。

300年前は枝を束ねたものだったのが、現在では電動の泡立て器へ進化。

その結果、労力がどれだけ減って、時間がどれだけ短縮されたのか、この点を自然と学べます。

アメリカでの奴隷制度にも

デザート作りが題材なので、どの年代でも親と子で作っているシーンが描かれています。

ですが、そのブラックベリー・フールを食べているひとが違う年代があります。

200年前です。

この年代では、アメリカの南部を描いており、黒人の奴隷母子が主人の家族のために作るシーンとなっています。

「なんでつくったママとこどもはたべないの？」

4歳の娘から自然と出てきた質問です。

この歳でどこまで理解できるかわからないけれど、特定の人がものとして扱われた時代があったことを教えられる良い機会です。

そのほか、現代のシーンでは父と子でブラックベリー・フールを作っています。

それまでの年代ではすべて作っているのは母と子。

男女の役割の変遷みたいなものも、親子で話すきっかけにできます。

実際につくってみた

読んでいくと、実際にブラックベリー・フールを食べてみたくなります。

それは4歳の娘でもそうだったみたい。

あるとき、「つくってみたーい」というので、父と子で作って食べてみました。

その様子はこちらでどうぞ。

絵本同様に、夕食のデザートとしてふるまって、家族から好評を得ることができ、娘の笑顔を引き出すこともできました。

この本との出会いは

冒頭で「買った時期 4歳1か月、ハマった時期 3歳後半」と書きました。

買った時期とハマった時期が逆転しているのは、図書館で借りて、ハマったことから購入したという流れだからです。

そもそもの出会いはかかりつけの小児科の待合室。

そこにあったものを手に取ったらしいです（むすめ談）。

図書館で借りるきっかけになったのは、こちらの「絵本リスト」に載っていたから。

「これよんだことある！」と教えてくれて読むことになりました。

まとめ

学べることが多い絵本として紹介していますが、そのことを抜きに考えても、おもしろい絵本です。

道具が時代でどう変化していったか、その点だけでも興味深く読むことができます。

うちでは自然とそうなりましたが、「いっしょに作ってみよっか」とこどもに投げかけて、料理の経験に結び付けていくこともできます。

親の使いようによっていくらでも可能性の広がる絵本なのかなって思います。