「御慶事の会」吟天6月の日本酒の会

今月も行ってきました吟天の会。

6月は御慶事を醸す青木酒造さんがいらしての「御慶事の会」でした。

御慶事は茨城・古河の日本酒

以前、「御慶事 雄町 純米吟醸」を飲んだときにご紹介しましたが、青木酒造は茨城県古河市にある酒蔵です。

その蔵から青木知佐専務と青木善延さんがいらっしゃいました。

お二人はご兄弟。

一足早く蔵に戻られた姉・知佐専務と、蔵に戻るべく東京農大醸造学科で学ぶ弟・善延さん。

お二人からお酒の特徴を伺いながら、御慶事を堪能してきました。

賀茂茄子のウニのせと「出羽桜 awa sake」

吟天の会恒例、乾杯はawa酒で。

青木酒造ではawa酒は造っていませんので、「出羽桜 awa sake」で乾杯です。

すっきり甘さ控えめに作られた上品なスパークリング日本酒。

米のうまみをしっかり感じられます。

先付けは賀茂茄子のウニのせ。

ウニの甘みと苦み、賀茂茄子の旨みが出汁によってひとつのハーモニーに仕上げられていました。

鱧のそばがき椀と「雄町 純米吟醸」

御慶事1発目は「雄町 純米吟醸」。

飲んだことあるお酒ですね。

雄町らしいしっかりとしたボディ、甘みと旨みが口の中でふくらみます。

とれも柔らかくふくよかさを感じさせる口当たりで、後味に透明感があります。

佐知専務曰く「おとなしめの香りの酵母を使っているため、香りが料理の邪魔をしない」とのこと。

これらが評価され、「SAKE COMPETITION 2019」特別賞の「JAL空飛ぶSAKE賞」を受賞。

日本航空国際線ビジネスクラスで提供されるそうです。

乗った際には飲んでみてください!

料理は「天草産鱧のそばがき椀」。

当然なんですけど、おいしいそば屋のそばがきはうまいんです。

そこに鱧の出汁がからんで、独特の上昇気流を生んでいました。

お造りと「二才の醸」

続いては「二才の醸」です。

「にさいのかもし」と読むそうです。

こちらはちょっと面白いお酒です。

20代の若手だけで作ったお酒なんです。

この20代の若手だけで作るお酒を「二才の醸」と呼び、埼玉県幸手市の石井酒造、新潟県新潟市の宝山酒造と、リレー形式で受け継いだものなのです。

茨城県産の「ふくまる」というお米と、茨城県の酵母を用いて作ったそうです。

田植えから瓶詰まですべて20代の手のみで造られています。

酸味が特徴的で、とてもすっきりとした後味に仕上がっています。

合わせていただいた料理はお造り。

金目鯛の皮霜造りとウマヅラハギ。

甘苦い肝醤油でいただくウマヅラハギは絶品でした。

ノドグロの塩焼きと「鑑評会出品酒 大吟醸」

ここからはプレミアムな日本酒になっていきます。

その1本目は「全国新酒品鑑評会 出品酒 大吟醸」。

こちらは昨年(2018年)の鑑評会に出品した大吟醸です。

小田切さんの冷蔵庫で1年寝かされたものになります。

こちらは出品酒と名乗っていることからもわかるとおり、惜しくも賞を取ることのできなかったお酒です。

だからといっておいしくないわけじゃないです!

たまたま取れなかっただけ。

雑味のないクリアの味わいで、ほんのり甘みを感じます。

香りはしっかり立つのですが、くどさはまったく感じません。

料理はノドグロの塩焼き。

ふっくらとしていて、あぶらもノリノリでした。

毛ガニの酢の物と「鑑評会 金賞受賞酒」

次が今年の鑑評会に出品した日本酒です。

「全国新酒品鑑評会 金賞受賞酒 2019」と名乗っていることからもわかりますが、今年は金賞を受賞しています。

おめでとうございます。

1年寝かせた去年の出品酒との比較になってしまうのですが、くわっと口に広がるインパクトがあります。

若さ溢れる、といった感じでしょうか。

1年経ってしまっているので、正当な評価にはならないかもしれませんが、去年のもののほうが私は好みでした。

毛ガニともずくの酢の物は、大吟醸の甘みと酢の酸味が見事に融合していて、一気に食べてしまいました。

天ぷらと「袋吊り斗瓶取り2018」

クライマックスの2本は「袋吊り斗瓶取り」の2018年ものと2019年ものです。

まずは2018年から。

袋吊り斗瓶取りというのは、重力のみで醪から日本酒を抽出する方法ですので、抽出量がとても少ない貴重な日本酒になります(袋吊り斗瓶取りに関して詳しくはこちらhttps://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_tobindori)。

余計なストレスをかけられずに搾られた日本酒なので、とても柔らかい穏やかなものになっています。

ふわっと甘さが口に広がり、鼻に抜ける香りも柔らかです。

天ぷらは変わり種として“トマト”が揚げられていました。

熱で甘みが増して、普段のトマトとはひと味違っていました。

口のなかをやけどする危険な奴です(笑)

トマトそばと「袋吊り斗瓶取り2019」

ラストは「袋吊り斗瓶取り」の2019年ものです。

こちらIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2019「SAKE部門」でGOLDを受賞したものになります。

袋吊り斗瓶取りに関しては2019年もののほうが好み。

2019年のほうが穏やかでほっとする味でした。

メロンを思わせるような香りがあり、すっきり爽やかで温度以上に冷たさを感じさせます。

〆はトマトそば。

ごま油の香りとともにすっきりトマトとそばをいただきました。

これまた絶品!

青木酒造のこだわり

知佐専務からも弟の善延さんからもいろいろとお話うかがいました。

お酒の感想とともには織り込めなかったので一部紹介したいと思います。

茨城県の酒蔵の矜持として、県産米にこだわっているそうです。

県産米の使用率は茨城県で一番じゃないか、とおっしゃっていました。

二才の醸でも使っていた「ふくまる」というお米は酒米というわけではないそうです。

おにぎり専用米として県が売り出しているようなお米で、冷めてもおいしい、さっぱりとしたお米なんですって。

外からではうかがい知れないお話をたくさんお聞きできました。

とても勉強になりました!ありがとうございました!

吟天・小田切さん、汐見さん、今月もおいしいお酒とお料理をありがとうございました!

手打ち蕎麦 汐見
東京都新宿区早稲田鶴巻町556松下ビル1階
TEL:03-3202-4404

投稿者プロフィール

皐月 悠詩
皐月 悠詩
1983年5月生まれ。群馬県出身。
新聞記者のブラックな生活に疲れ、一念発起で国家資格を取得。
2016年11月からめろめろパパに。
世のパパたちよりも家事育児の割合の高い日々を過ごしています。

詳しいプロフィールはこちら