書評:論理の力(著:出口汪)

とても学ぶところの多かった出口汪の「論理の力」を紹介します。

読み終えて、結構な決断をしてみましたので、どうぞ!

きっかけは電車内広告

何気なく通勤の電車のなかで目にした広告でした。

アインシュタインのイラストが描かれており、その吹き出しで「早期の過度な外国語教育は逆効果である」と書かれていました。

ぐっと心を持っていかれました。

さらにその解説として、

母国語の能力以上に外国語の能力は伸びない。

まずは全ての学力の土台である「論理力」を身につけることが重要!

と書いてあるではないですか。

これはまさに私の考えといっしょ。

どこまで自論を補強してもらえるかな、と思って車中でAmazonをぽちっとやりました。

出口汪とは

私たちの世代(30代半ば)で大学受験をしてきたひとにとって、出口汪は有名人かもしれません。

東進ハイスクールという予備校の現代文の講師で、人気講師でした。

また、実況中継シリーズという参考書があり、それを受験対策として読んでいる友人もたくさんいました(私は推薦入試だったもので、縁がありませんでした)。

その先生が、私が親になった時代に、子育て世代に向けて書いた本があるということに、とても縁を感じました。

どうして予備校講師が「2歳から12歳の脳がグングン育つ!」本を書いたかというと、現代文の能力を伸ばすには小さいうちにやらなければならないと気づいたからだそうです。

出口先生は、自分の授業を受けても伸びない高校生や浪人生がいたので、教える力を伸ばすためにその原因を突き止めようとしました。

中学時代に問題があるのではと仮説を立ててみたが、中学生でも伸びない子がいる。

ならば小学校時代か、と仮説を立てたところ、小学生では結果が出たそうです。

こうしたところから、国語の力を伸ばすには、こどもがちいさいときに手を打ったほうが有効だという結論を得て、出口先生は幼児教育に力を入れることになったんです。

出口先生はこどもの論理力や国語力を伸ばそうとしています。

より論理が大事な世の中になる

ではなぜ論理力が必要なのか。

私たちがおとなとして生きている現在より、いま2歳の私の娘がおとなになる時代のほうが、より論理力が必要とされる時代になるそうです。

これから全盛を迎えるであろうAI。

これを動かすのは人間です。

動かすための指示は論理的でなければなりません。

感情を持って勝手に動くことはAIにはできませんので、その指示は明瞭かつ論理的でなければなりません。

外国語を扱う上でも論理力が必要

外国語を扱う上でも、自動翻訳機などができてきて、何か国語でも話せる未来がきっときます。

ですが、この基礎になるのは日本語です。

日本語でしっかりと論理を組み立てて話すことができなければ、どんなに頭の良い翻訳機ができても通訳できません。

冒頭で引用した「母国語の能力以上に外国語の能力は伸びない」はまさにそうですよね。

母国語で的確に表現できないことを外国語でできるわけがありません。

この点では落合陽一氏も同様の主張をしています。

著書「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書」の中でこう言っています。

主語・述語を意識した論理的な構造で文を作る。こうした母語の論理的言語能力に加え、自分の考えを持ち、それを明確に伝える能力こそ鍛えるべきです。

うなずくしかできません(笑)

学びは遊び

子どもは幼ければ幼いほど単純であって、楽しいか楽しくないか、判断基準はこれしかありません。

子どもは楽しければ、放っておいても学び始めるものです。

これはこどもが勉強嫌いになってしまうことについて書いた章にあったものです。

勉強を強制し、頑張れ、努力しろ、としてしまうから、嫌いになっちゃうんですね。

楽しければ自分からやるんです。

日本の平安時代。

お姫様は家事をやらないので、一生遊んでいれば良かった。

一生遊ぼうと思ったら、かなり深いところまで学ぶことができた。

その結果、物語やエッセイや和歌など優れた文化を残すことができた。

学びは遊びだったんです。

娘には遊びのように学んでほしい、そう願っていますので、かなり共感度の高い本です。

私がくだした結構な決断とは

この本に共感するところがとても多かった私。

たぶんこの本が出されたひとつの理由かと思うのですが、出口先生が主宰する「出口式みらい学習教室」の紹介がされていました。

これにも私、共感してしまいました。

ならば、娘を通わせてしまおうか。

そう思った私は、気づいたら資料を取り寄せ、説明会に参加し、面談を受けていました。

そしてこの夏、夏期講習を受けることにしていました(笑)

いままで幼児教室といったものにはまるで興味なかったんですが、結構な決断をしてみました。

それぐらい納得感のある本で、突き動かされる本でした。

この説明会、面談を受けた感想などは「出口式みらい学習教室」を紹介する際に書きたいと思います。

子育て世代みなさんにおすすめしたいところですが、娘の優位性を保つためにもおすすめしないでおきます(←セコい(笑))

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投稿者プロフィール

皐月 悠詩
皐月 悠詩
1983年5月生まれ。群馬県出身。
新聞記者のブラックな生活に疲れ、一念発起で国家資格を取得。
2016年11月からめろめろパパに。
世のパパたちよりも家事育児の割合の高い日々を過ごしています。

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