子育てをしているとこどもがどんな年齢であっても、いまどんな気持ちなのか、どうしたいのか知りたくなるものです。
それができないからイライラしたり、怒ったり、衝突したりしちゃうもの。
この本を読むことでほんの数%でも、いままでより、娘の気持ちを理解できれば、と思い読むことにしました。
ざっくりと全体の感想
結論から言えば、読んでとてもためになりました。
初めて知ることも多かったですし、気づきも多かったです。
そして何よりわかりやすかったです。
わかりやすかった良かった点をまとめてみたいと思います。
- イラスト
- children’s voice
- Hint
- 年齢別
の4点です。
それでは、その4点の良かった点をご紹介します。
1.イラスト
日常よく起こるシチュエーションを描いています
子育てをしている中で、私たちが直面する「どうしたらいいの?」的な場面をイラスト付きで紹介しています。
なのでとてもわかりやすいです。
こどもの表情や言葉などが絵で目に入ってくるので、すっと読み込めます。
そして、×な親の対応とこうしたらいいよという〇な対応、どちらも書いてあるので、自分の行動を振り返り、見直すことがしやすいです。
2.children’s voice
「わたしやぼくの心では、こんなことが起こっているの」
子どもの心の中を伝えます
心理療法士の立場から著者が、こどもの心の中を科学的に分析、想像をしながら、こどもの言葉で伝えてくれます。
このようなシチュエーションでこのような反応を見せるとき、こどもはこう考えているはず。
これがわかるので、実際そういった場面にでくわしたときの対処法が学べます。
とても印象的だったのは、こどもが「ママ、わたしのこと好き?」と聞く場面です。
皿洗いをしているママは振り向きもせず「もちろんよ」となおざりな対応。
なのに、電話が鳴ると皿洗いをやめて、電話を取りに行きます。
そのときのこどもは、
「電話が鳴ったらお皿洗うのやめるのに、わたしのためにはやめてくれない。電話のほうが大事なんだ…」
と感じているんだそうです。
あー、こういう対応のときに娘はこんな風に思っていたんだ、と腑落ちするのと同時に少しの後悔が…。
もっと早く知っていればなぁ、と思うことばかりでした。
3.Hint
神経科学や実験心理学でわかっていること、子育てのヒントをお伝えします
実際に科学的に解明されていることなどが書かれている部分です。
これによってすごーく説得力が増している気がします。
単なる想像じゃないよ、と言ってもらえているようで安心します(笑)
4.年齢別
私がつねづね育児本にたいして思っている不満は「これって何歳くらいの話よ?」ということです。
こどもの成長はそれぞれということはあると思いますが、だいたい何歳くらいのこどもに向けたアドバイスなのか、それがわからないと実践しにくいものです。
この本は年齢別、半年ごとの年齢の区切りで、この年齢で起きやすいシチュエーションを取り上げて、対処法を教えてくれます。
とてもわかりやすい!
また別の視点で、同じ事象に対して年齢ごとの対処の違いを書いてくれてもいます。
これまたわかりやすい!
著者はどんな方??
著者のイザベル・フィリオザはパリ生まれの心理療法士。
2児の親で、子育てをしているときに「知りたいことが次々にポンポンと浮かんできた」ことをこの本に書いてくれています。
子どもの態度は、たとえそれが極端な場合であっても、まずは自分たちの成長のために必要なことをしているのでは?これが私の研究活動の出発点でした。
こうした立場で書いた本なので、科学的な裏付けのある心理情報に実体験が絡んでいて、とても心に響くのです。
変な言い方かもしれませんが、この本を信頼しすぎてはいけません。私たちはこれが真実だ、と言っているわけではないからです。みなさんがご自分でそれぞれ子どもを観察し、感じ、体験していただきたいのです。
本書のエピローグで、この本に書いたことがすべて正しいわけではないと、自ら述べています。
この姿勢にとても好感が持てました。
イラストはアヌーク・デュボワ。
教育者の資格を持った子どもの行動心理の研究者で、イラストレーターとしても知育絵本を多数執筆している方です。
そのような方のイラストなので、こどもの表情が的確で、イメージがとてもしやすいです。
では、このあとは、この本の中で、私が初めて知ったことや気づきについて、共有したいと思います。
具体的な気づきその1 生理的現象も考える
愛情不足ということで片付けるのは簡単。けれど、実は子どもの態度にはほかにもいろいろな原因があります。緊張、興奮、過度の刺激、退屈、あるいは単に生理的な欲求など、子どもを爆発させるこうしたさまざまな原因を一緒に探っていきましょう。
ここ最近の育児の中ではことさら愛情といった言葉に焦点が当たっています。
ですが、もっと生理的な現象が原因になっているかもしれないということにも目を向けようよという指南です。
大事なことですが、忘れてましたねぇ。
ママがいないところでは目立たない
この生理的な部分でいうと、「ママがいないところでは目立たないほうがよい」という話が面白かったです。
こどもが転んだとき、ママの顔を見てから泣くということがあると思います。
これが最たる事例で、哺乳類は危険が生じたときに助けを求めるのですが、保護者が近くにいないときに騒いでしまうと、危険が増す可能性があります。
ですので、自分が安全であると思える状況、ヒトのこどもであればママが近くにいるときです。
ママが近くにいるというのが分かって初めて安心して泣くんです。
なので、ママはこどもから一番悪い状況を見せられているんですね。
これも知っていると知らないとでは、ママ側の感じ方が違ってきますよねぇ。
具体的な気づきその2 子どもは脳がまだ発達中
子どもは思っているよりずっと早く成長しますが、その一方で思っているより幼いものです。
忘れがちです。
うちの娘は2歳になって、すごくよくしゃべるようになりました。
しゃべって伝えてくれていることが増えているのでだいぶ楽になりましたが、その言葉どおりに動いて失敗することもあります。
まだ思ったことをすべて的確に伝えられるわけではない、ってことをこの文章で気づかされました。
子どもは脳がまだ発達中なので、私たち大人と同じようには物事を見ていないし、理解してもいません。これを無視するせいで、衝突したり、無益な罰を与えたり、イライラしたりするのです。要するに、親が子どもに何か期待しなければ争いは起きません。
このことを頭に刻んでおこうと思います。
こどもの脳は否定が苦手
否定というのは一度肯定のステップを踏んでからじゃないとたどり着けないんです。
たとえば、食べない。
脳の回路としては第1ステップが「食べる」を認識、それが「ない」ということを認識するのが第2ステップ。
こどもはその第1ステップまでしかたどり着けないのです。
だから「しちゃダメ」といったことをしてしまうのです。
ここへのアドバイスは『「してよいこと」を伝える』だそうです。
まとめ
この「子どもの気持ちがわかる本」は「フランスで25万部を記録、世界的な大ベストセラーとなり、16カ国以上で翻訳されている」そうです。
その実力は、読めばわかると思います。
帯には「イラストにほっこり、そしてちょっと切なくなる!」という慶応大医学部小児科の高橋孝雄教授の言葉があります。
まさにそのとおりでした。
あー、この対応は娘にこんな思いをさせちゃっていたんだなとか、もっとこう接していたら娘も私も妻も幸せだったんだな、とか。
ちょっと切なくなります。
こどもが小さければ小さいほど効果の高い本だと思います!
5歳までの話が載っていますので、それまでのお子さんをお持ちの親はまだまだチャンスは残っています!
幸せな親子が増えるためにも、ぜひとも手に取ってほしいと思います♪
子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ (著)、アヌーク・デュボワ (イラスト)、土居 佳代子 (翻訳)
投稿者プロフィール
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1983年5月生まれ。群馬県出身。
新聞記者のブラックな生活に疲れ、一念発起で国家資格を取得。
2016年11月からめろめろパパに。
世のパパたちよりも家事育児の割合の高い日々を過ごしています。
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