イクメンパパがお薦めするこの一冊②「パパは脳研究者」

脳科学者というフィルターがあると、子どもの成長の見え方が違う、といった内容の書評を見たことで手にした本です。

脳科学を知っていると子育てがどう違って見えるんだ?

そんな思いで読み進めていきましたが、ほんとに違いがあり、さらに子育てが豊かになるなぁ、と読後に感じました。

脳研究者であるところの著者・池谷裕二さんが自身の育児を記録した本です。

ひと月ごとに脳研究者の立場で感じ取ったご息女の成長を記しています。

とても親バカ目線で書かれた温かい本です。

どのような成長が記されているのか。

たとえば、子どもをくすぐって遊ぶというものがあります。

われわれ一般人はそれを、くすぐったがっている姿が愛らしいとか、スキンシップの一環程度の気持ちでやっていると思います。

池谷さんは違います。

そのくすぐりで脳と体の発達を確認しているそうです。

0歳4か月の記事にはこうあります。

赤ちゃんは生まれたときには、自分の体の形を知りません。

お腹をくすぐると腹部をよじるのは、全身のなかで自分のお腹がどこに位置しているのかを認識している証拠。

でも、足をくすぐっても、まだ足を引っ込めません。

くすぐられて、もじょもじょとする感じは不快なようですが、なぜくすぐったいのか、その感覚が体のどこからくるのかが、まだわからないのでしょう。

くすぐる、という行為だけで、これだけの成長を感じ取っているんです。

知識があるかないかだけで、感じ取れる成長が2倍にも3倍にもなる!

そんなことに気づかされたのです。

いまの私は成長を2倍にも3倍にも感じています!

私がこの本に出会ったのが、娘が1歳1か月になった時点。

読んでいく中で、本の内容と同じような変化を娘に感じたことがありました。

たとえば、ボーロをつかめるようになること。

私は食べるの上手になったな、と思っただけでしたが、池谷さんは「握力把握」しかできなかったところから「精密把握」ができるようになったと喜ぶのです。

脳がどう成長して、体がどう成長しているかわかっているからこその深い成長への感慨。

うらやましいと思いました。

これまでの期間、私が感じ取れていない成長を池谷さんは感じ取れている、これを素直にうらやましいと思ったのです。

でも、この本に出会えたことで、1歳2か月以降は池谷さんが記してくれた成長の証については感じ取ることができる、とうれしくもなったのです。

この本を読むうえで注意したいこと

この本には池谷さんの娘さんの成長が1か月ごろに記されています。

そのため、同じ月齢になっている自分の子どもの発達具合と比較することができてしまうのです。

実際、池谷さんの娘さんは言葉の発達が早め。

それと比較して、自分の子どもの発達が遅いといって嘆いたり、悲しんだりするのはナンセンスかと思います。

成長はそれぞれ

成長は子どもそれぞれ、千差万別です。

それぞれに違う成長の度合いをどう感じ取ってあげるか、その指針のひとつを示してくれているのがこの本だと思います。

私はこの本を読んで、娘の行動をそれまでよりも深く観察できるようになりましたし、ちょっとの変化を成長と喜べるようになりました。

池谷さんはほんとに子煩悩な方のようで、子どもとどんな心持ちで接したら、お互いが幸せに感じられるか、といったことを伝えてくれるようでした。

子どもとの生活を豊かにできる一冊かと思います。

パパは脳研究者

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学
池谷 裕二