世界に通用する子どもの育て方(著:松村亜里)

ポジティブ心理学者が書く育児手法ってのはどんなものか?

そういった興味で読んでみました。

ポジティブ心理学とは

そもそもポジティブ心理学とはどういったものか。

臨床心理学と比較してみます。

臨床心理学というのはマイナスの状態の心理をフラットなところへ戻すものです。

ポジティブ心理学はそのフラットな状態の心理をプラスの状態へと引き上げるものだそうです。

そのポジティブ心理学を学んだ松村亜里さんという心理学者が書いた本になります。

これから、私がこの本から吸収したものを、学びが大きかった順に書き連ねていこうと思います。

1.親のあり方も時代にあわせて変えていこう

娘とテレビの関係について書いたときにも思ったことですが、親のあり方、教育の仕方っていうのも不変のものじゃないよな、ということ。

このことを書いて入る本に初めて出会った気がします。

こどもが生きる将来の世界は大きく変わっています。

モノが足りなくてそれを満たす時代からモノがあふれている時代へと変化し、さらには情報まであふれた時代になっています。

娘が大きくなったときにどのような世界になっているかはわかりませんが、少なくとも私が受けてきた教育では太刀打ちができないんだろうと思います。

松村さんは「時代に合わせて親も変わろう」といい、その変わらなきゃいけない理由を次のように挙げています。

①仕事が複雑化しておもしろ味が増した
②仕事に創造力が必要になった
③組織管理の必要性が薄まった

こうして時代が変わっているのに、親や社会(教育)が変わっていないことを問題視しています。

これに関しては私も同意見です。

これまでと同じ育て方でいいわけないですよね!

2.セルフコンパッションという考え方

セルフコンパッションとは、聞きなれない言葉ですよね。

簡単にいうと「自分を責めるよりも許して思いやる」ことなんだそうです。

まずは自分を満たすところから。

育児をしているとこどもを最優先にしがちですが、まずは自分を心がけていいんです。

こうやって自分を思いやることができてはじめて、他者に対する本当の思いやりってものが生まれてくるんだと思います。

このセルフコンパッションによって、本当の意味での「自尊心」や「自己肯定感」を育むことができるんだそうです。

私も取り入れていこうと思います。

3.こどものやりたくないことをどこまで自主的に

これもほかの本ではなかなか目にしない部分かな、と思いました。

やりたいことをどのように伸ばしていくか、そういったことに主眼が置かれていて、「本来こどもがやりたくないこと」、でも、「大切なこと」をどうやるように意識を持っていくか、こういったことのアドバイスは初めて見たんじゃないかな。

その内容は以下のとおりです。

①まずやりたくない気持ちに共感し、その気持ちを認める。
②なぜそのことが大切なのか、合理的な理由を説明する。
③圧力を最小限にした言い方や質問の仕方で伝え、選択の余地(自己決定)を与える。

共感と合理的説明と自己決定。

これ②がキーだと思っています。

合理的な理由を考えたときに、それが思いつかないことも出てくると思います。

そのときはたぶん親が見直さなきゃいけない部分なのではないか、と予想します。

まだ取り入れられていないので、実際はどうかわかりませんが。

うちでは、テレビを見たがっている娘を食事させる、入浴させる、寝させる、このあたりで実践していきたいと思います。

4.親は子の課題を奪わない

これはすごい大事だな、と思いました。

と同時に気を付けていないとやっちゃいそうだなと思いました。

朝8時に出ないと遅刻してしまう息子が7時半になっても起きてこないので、母はイライラしてしまう、なんてことはよくあることだと思います。

このとき、遅刻をするのは息子であって、母ではありません。

とすれば、課題は息子にあるのであって、母にはありません。

それを「息子を遅刻させてはいけない」と課題を奪って、そしてイライラしてしまうと。

その課題を克服するのはあくまで息子なので、その決定権を奪っちゃいけないんですね。

親と子の課題をきっちりと認識して切り分ける、これがとても大事!

5.こどもの挑戦意欲をかき立てる「しなやかマインドセット」

こどもには失敗を恐れないチャレンジ精神旺盛な子に育ってほしいものです。

挑戦なくして成長はないですからね!

松村さんは挑戦意欲旺盛な心持ちを「しなやかマインドセット」と呼び、こどもにしなやかマインドをセットする方法として以下の3手順をアドバイスしています。

①能力は伸びることを伝える
②能力や結果でなく行動やプロセスをほめる
③親が失敗を悪いものとして扱わない

この②がとても難しいんですよねー(笑)

どうしても結果をほめてしまう。

この辺はしっかりボキャブラリーを確保することで対応したらいいのかしら。

6.子どもの良いニュースの反応しよう

人間は生き延びていくことを考えたときに、悪い情報をいち早く入手することで、それを可能にしてきたそうです。

なのでDNAに「悪い情報に目が行く」ということが刷り込まれているんですね。

それは子育てにおいてもそうなんでしょう。

なので、ことさら強調して良いニュースに反応することを松村さんは求めています。

7.ほめるときに期待をこめない

これやっちゃいがちですよね(笑)

こうほめたら調子に乗ってもっと頑張ってくれるかも、って。

そういった“条件付き”や親が“コントロール”をしようとしている感じをこどもは簡単に見抜きます。

なので、無条件でほめちぎること、これが肝要です!

8.パパとして、夫としてどうあるべきか

本書のなかで、裕福な家庭のこどもで幸福度が低かった子の特徴として、母親から批判的に育てられた、というのがありました。

母親が批判的になってしまうのには、ウェルビーイングが低いということが挙げられるらしいです。

そして、母親のウェルビーイングを高めるために必要なこととして、以下の4項目が挙げられていました。

①無条件の愛情を感じられるつながりがある
②何かあったときにいつでもなぐさめてくれるつながりがある
③ありのままの自分でいられる人間関係を持っている
④満足できる友人関係がある

夫である自分が妻に対して、そのうちの1つでも満たせているだろうか、と身につまされる思いがしました。

幸せっていうのはシャンパンタワーのようなものなので、まずは自分が幸せでないと、まわりを幸せにすることができないのです。

逆に十分に幸せであれば、まわりを幸せにしようなんて考えなくても、どんどん幸せはまわりにあふれていくんです。

私自身も幸せである必要がありますが、妻に十分幸せでいてもらうことを考えたいなと思います。

9.オキシトシンはパパにとっては気を付けるべきもの

この流れでオキシトシンという物質についても触れられていたので紹介しておこうと思います。

オキシトシンとうのは幸せ物質のひとつで子育てをしている母親に多く分泌されるものらしいです。

これによってわが子をいとおしく思う気持ちが出て、育児ができるというものなんだそうです。

ただ、これには怖い側面もあるらしく、自分のしている育児に対して非協力なものに対しては攻撃的にする側面もあるんですって。

だから、こどもが生まれてすぐの時期に、父親が育児に積極的でなかったりすると、それはオキシトシンの攻撃の対象。

このことによって、生まれてすぐのこどもがいるのに離婚してしまうなんてことが起きているようです。

こういった不幸を防ぐためにも、科学的な見地からもパパが育児に協力的な姿勢を持つってのは大事なことなんですよね。

まとめ

本書を読んでいて、どの部分にタイトルの「世界に通用する」の要素があったのかはよくわかりませんでした。

さらに帯に書かれている「AI vs 幸せな子ども」ってのがどこに書かれているのか、これもよくわかりませんでした。

どこにも書かれていなかったんじゃないかな(笑)

それでも、この本は読む価値のある本だと思いました。

松村さん自身が子育てで失敗したと思ったことを、実体験をとおして語っていてくれています。

世の中のこどもが幸せに育ってくれるようにという思いがひしひしと伝わってきます。

熱い思いが伝わってきましたので、読むのにいつもより時間がかかりました。

書評で書きたいことも多くなり、文章にするのにも時間がかかりました。

世界に通用する子どもに育たなくてもいいと思っている親にこそ読んでほしいなと思います。

 

世界に通用する子どもの育て方
著:松村亜里