「好きなこと」だけして生きていく、これほど魅力的な言葉はないかもしれません。
その方法、というかそう生きていくための心構えが説かれた本です。
How Toを期待すると物足りないかもしれませんが、心の在り方を変えるという意味では十分すぎるくらいでした。
まずは自分を認めるところから
イヤなことを我慢して頑張るのは自分の価値が低いと思っているからだ、と心屋さんはばっさり言い切っています。
自分の価値を高く見られないから、イヤなことでも頑張って、価値が高いと思ってもらわなきゃいけない、とそんな思考回路になっていると言うんですね。
ぐさっとくるのは次の文章です。
「私が作ったこの器は全然価値がないんです。でもあなたはすごいと思って、大事にしてくださいね」と言っているようなものです。
自分自身を低価値な人間だと思って、それでも周りから愛されようとするのは、この引用のとおり土台無理な話なんですよね。
まずは自分が自分を認めないことには、周囲が認めてくれる環境は整わない、ってことですね。
謙虚・謙遜が美徳とされることの弊害
本の中では心屋さんがカウンセリングしてきたいろいろな方の話が載っています。
カウンセリングを受けに来た方の心にあるのは一様に“自己肯定感の低さ”。
これって、謙虚とか謙遜が美徳とされる世の中があるからなんじゃないですかね。
「いやいや私なんて」「それほどでも」「至らない点も多々あるかと」などなど。
こういう言葉遣いや態度が美徳とされるから、自分の価値を認められないんじゃないかな、なんて思います。
なので、うちでは娘に自己肯定感を高めるために、「私は周りから愛される価値のある人間なのだ」ということを自然と感じられるよう子育てをしています。
好きなことをして生きていく=ラクして生きていく、ことではない
心屋さんは脱サラした心理カウンセラーで、好きなことをして生きていくことに目覚め、いまの状況を確立しています。
そんな心屋さんが、好きなことをしていくうえでひとつだけ厳しいことを言っています。
好きなことをやって生きていくのは、きれいごとではなくて、相当な覚悟が必要です。
みんな「好きなことをして生きていきたい」と思うのに、それができないのは、目の前の「嫌われる」という一番大きな問題が乗り越えられないからです。好きなことをして生きていくのは、ラクをして生きることではありません。
勇気を出して嫌なこと、怖いことを引き受けて生きていくことです。
近年流行った言葉でいえば「嫌われる勇気」を持て、ということですね。
「嫌われる勇気」を読んでいると効果倍増
私自身はその嫌われる勇気を読んで、感銘を受けた結果、嫌われる勇気を持っていると思っていました。
この本を読んで感じた思いは、まだまだ嫌われたくない気持ちが残っているなということ。
まだまだ甘ちゃんでした。
「嫌われる勇気」についてはまたの機会に書評にしたためたいと思いますが、この本と書いてあることは似ています。
ひとは他人から嫌われないように、他人の期待に応えようとするから、不自由になります。
ですが、本質的には他人の期待に応えるために生きているのではないです。
だから、人から嫌われる勇気を持つことができれば、自由に生きられるのです。
書いてあることは一緒ですね。
嫌われる勇気さえもてば、なんでもできる!そういうことです。
子育てで『「好きなこと」だけして生きていく。』ことを教えることのむずかしさ
好きなことをして生きていけないひとの例として心屋さんは、頑張ってしまうことを放棄できない人を挙げています。
そういったひとの心理についてこう説いています。
頑張らないのは悪いことだ。
頑張らないあなたはいけない子だ。
頑張ったらほめてもらえる。よくできると愛される。
子どもの頃から、そういう体験を重ねてきた。
だから、できない。自分を信用して、認めることができません。
うん、だから頑張ることを放棄できないんですね。
あれ、子育てはどうやっていけばいいんだ?
さきほどうちの子育てでは自己肯定感を高められようにしている、と書きました。
とはいっても、「頑張れ」という言葉は多用してしまっています。
「よく頑張ったね!」「頑張ってるから次はできるよ!」
ほめたり励ましたりするとき「頑張る」という言葉はとても使いやすいです。
この辺については心屋さんに聞いてみたいところです(もしかするとそんなことを書いた著書もあるのかもしれませんが)。
本書を読んで次の行動は実践のみ!
嫌われる勇気を読んだあと、嫌われてもいいんだと思って行動したらいろいろなことがラクになりました。
子育てを理由に残業なし勤務にしてみたり、出張を削減してもらったり、仕事の面だけでもかなり好きなようにできるようになりました。
今回この『「好きなこと」だけして生きていく。』を読んだので、さらに加速させられるんじゃないかな、なんて思っています。
心屋仁之助
投稿者プロフィール
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1983年5月生まれ。群馬県出身。
新聞記者のブラックな生活に疲れ、一念発起で国家資格を取得。
2016年11月からめろめろパパに。
世のパパたちよりも家事育児の割合の高い日々を過ごしています。
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