会計士子育て座談会 スムーズな妻の復職には夫の協力が必要

同時期にこどもが生まれた会計士仲間を集めて、子育てへの取り組みや仕事について話をしました。

その中から私が思ったことをいくつか、書きたいと思います。

パパひとりとママひとりの親3人でお話

私も含め計5人の会計士が集まり、話をしました。

そのうち2人は独身の♂。

こどもがいるのはパパひとりとママひとり。

子持ちの立場で話ができたのは私も含めて3人ってことですね。

パパをGさん、ママをSさんと呼ばせてもらいます。

(おいしいお酒とピザ、お肉で話を盛り上げました!)

Gさん、Sさんともに会計士夫婦

Gさんは大手の監査法人を退職し、現在保険会社の経理マン。

奥さんは監査法人時代の同僚で、現在は育休を終え会計士として復職しています。

こどもは娘さんで今年の7月で2歳。

うちの娘より学年はひとつ下になります。

Sさんは大手監査法人の会計士で現在育休中。

ご主人は同じ監査法人の同僚ですが、現在は退職し、友人とコンサル会社を設立し経営しているそうです。

Sさんは4月に保育園にこどもを預けられることになれば、もとの職場に復帰することになります。

こどもは男の子で今年の8月で2歳。

Gさんの娘さんと同い年です。

Gさんは私以上のイクメンかも

Gさん家の状況を少し書きますと、夫婦で忙しい時期が異なります。

どちらも決算の時期が忙しくなるのですが、経理は決算資料を作る立場で、会計士は決算資料をチェックする立場です。

なので3月末の決算シーズンですと、経理が忙しいのが3月下旬から4月の中旬。

会計士は4月の中旬から5月の上旬にかけてが繁忙期と呼ばれる時期になります。

なので、お互いこの時期は家事・育児を分担しあっているそうです。

さらにGさん、この日、パパひとりで娘を連れて来ていました。

私はまだそこまで長い時間の長距離移動をともなった外出を娘とふたりきりではしていません。

聞くと、普段の休日もふたりでデートを楽しんでいるんだそう。

私よりもイクメンかもしれません。

Sさんのところは育児への協力が皆無

では続いてSさん家についてです。

SさんのところはSさんがまだ復職をしていないという事情と、夫が会社を立ち上げたばかりという事情があり、夫の育児協力は皆無なんだそう。

事情が事情なのをSさん自身が理解しているので不満はなさそうですが、私やGさんの育児参加度合いを知って驚いている様子でした。

保育園が決まれば4月から復職となる運びで、その点に関して、夫婦ともに仕事がある状態になったらどうなるんだろう、という不安は持っているようです。

その不安に加えて、Sさん自身がとてもこどもが好きだからか、「保育園決まらなければいいな」なんて本音ももらしていました。

互いの仕事を理解できることの大切さ

話を聞いていてGさん夫婦はとても円満な印象を持ちました。

たぶん、お互いがお互いの仕事を理解できているから、忙しい時期や仕事の大変さなどを共有できているんだと思います。

だから忙しい時期にお互いを思いやることができたり、家のことを多く負担するなどの気遣いができたりします。

とてもいい循環が生まれているんでしょう。

幸運にも、うちも私が会計士で妻に経理の経験があることから、私の仕事の話に関してスムーズにまわります。

お互いの仕事を理解している、というのはとても大切なんだなと気づかされました。

みんながみんなこうやって経験から相手の仕事を理解できるとは限りません。

会話を通じて、相手の仕事への理解を進めていくことが肝要なんだろうなと思います。

夫の育児や家事への協力は妻の復職を後押しする

Gさんの奥さんもSさんも女性会計士です。

同じ立場でありながら早期復職を果たしたGさんの奥さん、かたや復職をためらう気持ちが発生しているSさん。

ここまで読んでいただけた方ならわかるかと思いますが、両者の差を生じさせているのは夫の家事・育児の参加度合いです。

もし、経済的な事情から奥さんに復職をしてほしいと考えているご主人がいるのなら、自分の残業代が減るのも甘んじて受け入れて家事や育児を担うことです。

自分の給料を減らしてでも奥さんに復職してもらうほうが、夫婦ふたりでの総収入は増えるはずです。

早い段階での復職を望まない女性もいる

Sさんの場合ですが、必ずしも夫の育児家事の参加度合いが低いことが復職へのモチベーションを下げているわけではないようです。

息子さんといっしょにいる時間を大切にしたいという思いもあり、前述の「保育園決まらなければいいな」発言になるのです。

保育園を申し込んだうえで決まらなければ、育休を延長できるような社内規程になっているようで、その会社にいつづけようと思うと保育園の申し込みは必須なのです。

いずれは働きたいけどもう少しこどもといっしょにいたい、という母親の思いをかなえてあげる方策があってもいいなと私は考えます。

ちょっとここに関してはここで収まりきらないくらいに複雑な面もあるので、また別の機会にまとめたいと思います。

私の意見としては、多様な生き方を認めていくという意味で「早い段階での復職を望まない女性もいる」というのを頭に入れておいてほしい、というところです。

能力を持っているということは可能性を広げる

さらにSさんは踏み込んだ発言をしていました。

「もし保育園にうかったなら、4月のひと月だけいまの会社に復帰してそのあとは別のところに移ろうかと思う」

会計士であるSさんは、独立して会計事務所を開いた元の上司からパートタイム勤務でのお誘いを受けているそう。

このオファーを受ければ、忙しい時期だけ働いて、事務所が暇なときには育児に専念できるという環境にできます。

これは会計士というひとつの資格を持っているからできること。

4月のひと月だけいまの会社に復職するということの道義的是非はさておき、こういった働き方の多様性を確保できるのが資格をもつことの魅力かと思います。

資格って単なる“能力の証明”を公的・私的な機関にしてもらっているだけ。

しっかりと能力さえもっていれば、周りに左右されず自らが望む仕事の環境を作れるんだと思います。

なので、これからこどもを持とうと思っている女性のかたは、自らの可能性を広げるためにもいまから能力磨きをしておいてもらいたいなとそう思っています。

まとめ

こうやってパパやママと話しをすると、育児そのものや育児を取り巻く社会環境などいろいろと考えることが出てきます。

そのなかで感じたいいなと思ったことや、社会のこういうところ問題だよね、とかそういったものを積極的に発信していきたいなと思います。

いつかどこかに届くことを願いながら、発信をし続けていきます。

投稿者プロフィール

皐月 悠詩
皐月 悠詩
1983年5月生まれ。群馬県出身。
新聞記者のブラックな生活に疲れ、一念発起で国家資格を取得。
2016年11月からめろめろパパに。
世のパパたちよりも家事育児の割合の高い日々を過ごしています。

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